「これうまいね。あんずとすももとか珍しくない? どこに売ってんの?」


「どこだろう。これね、音羽くんにもらったの」


「……はぁ?」



不愉快げにしかめた顔が、こっちに向いた。



あぐらをかいた姿勢であたしに向きなおした駆くんの口元では


桃色の飴が下の歯と上の歯に挟まれている。



「いらない」