【完】俺様彼氏は、甘く噛みつく。

それにしても、駆くんが進むこの道って本当に近道なのかな?



なんか遠回りしている気がするけど……。人も少ないし……。



「今宵さ、俺たちがキスしてたとき、してほしそーに見てたよね?」


「え……っ?」



してほしそうに?



「そ、そんなわけないよ……っ」



……あれ?



「あたしが見てるの、気付いていたの……?」


「あんなとこでこんなでっかいゴミ箱もって突っ立ってたら誰でも気づくだろ」



それなのに続けてたの……?
あんなキスを……?!



戸惑うあたしをじぃっと見ていた駆くんの綺麗な唇が、にやりと形を変えた。



「……してほしい?」