「ねぇ、駆くん。見て!」



つんつんっと腕を引っ張ってきらきらと目を輝かせる今宵がそこにいた。



「なに?」


「駆くん、満点なの! すごい……っ」



「今日は一番真面目に授業うけてたもんね」ってそう言いながら、ぴらっとこっちに向けて掲げる小テスト。



嬉しそうな顔。
なんなの、お前。



「……かわいすぎかよ」


「え」



答案用紙なんか飛び越えて、今宵の耳もとに近づいて視界から消える。



……赤くなってく顔なんか見られたくないから。



「あとで覚えとけよ」



……首かしげんな。


そうそれ。そうやって真っ赤になってたらいいんだよ。