【完】俺様彼氏は、甘く噛みつく。

責任って……?



「お金……あんまり持ってなくて……」


「金って。物騒かよ。もっと違う方法思いつかねーかなぁ」



ひょいっと壁から背を離した駆くんは、すぐ傍を通り過ぎようとしたとき、コツンとあたしの頭を叩いた。



「ほら、来なよ。こっちが教室棟への近道」




細身だけど、広い背中。



見慣れない男子の背中。



あんなに大きなゴミ箱をかるがると片手で持ち上げて歩いていく。


優しかったり怖かったりどっちが本心なんだろう……?