さっきから一軒も廃品を出してない。


……ここ、さっきも通った。



「あれ?」


急いで地図を開く。


いや、あってる。多分こっちに行けば学校に戻れるはず。

確信して進むのに、何度も同じ場所にでちゃうのはどうして?



「……ここどこ……」



……だめだ、道に迷っちゃった。

待って。どうしよう!



混乱の中、頭に浮かんだのは駆くんだった。



途中で途切れていたメッセージ画面に打ち込む。


“みちにまよっちゃった”


動揺して手が震える。


どうしよう……。ええっと。


きょろきょろとあたりを見回していると、電話が鳴った。