「衣川さんって、すっごいイケメンの彼氏いるよね!」


「顔かわいいからなぁ~いいなぁ」


「そんなこと……ないよ」


こういうの言われるとどうしていいかわかんないし、意図もわかんない。



「謙遜しちゃって~! ていうか、入学してすぐ付き合ってたよね?」


「わかる! はっやーって噂になってたよね」


指をさしあって笑う二人の会話がとげっぽくて……。


「しょっちゅうべたべたしてない?」


「わかる! 廊下とかでね」


それは駆くんが……って、でも事実だから。

次第に縮こまるあたし。


これは予想通りのよくない流れだ。


どうしよう……。なんていえば。