【完】俺様彼氏は、甘く噛みつく。

「お前は弁当ぶちまけたりのぞき見したり、すごい趣味してんな」


「……趣味なんかじゃ。あの、ごみ箱……」


「ゴミ捨て場あっちだから。教えてあげる」



その目は、王子様みたいにあたしの手を拭いてくれたあの時と変わらなくて。



……やっぱり優しいひとなのかな?




――何回もいうけど、あたしは全然わかってなかった。



ここで逃げ出して縁を切っておけば、こんなに振り回されることなんてなかったのに……。