――カツン、カツン。 書店に続く階段を下り始めた。 反響するヒールの音が大人っぽく聞こえて、なんか嬉しい。 みんなエスカレータを使うからか、この階段は閑散としていて、あたしと駆くん二人きり。 「で、今宵の欲しい本ってなんてタイトル?」 「えっとね……」 タイトルを言おうとしたその瞬間だった。