そういう流れで、あたしは頷いたっていうことなんだけど。


デートってしたことないし。


ルイちゃんにアドバイスをもらって、初めてヒールのある靴を買ったんだ。



ロングスカートの足元に目を落とせばひときわ煌めいて見える、ライトブラウンのパンプス。


似合うかちょっと不安はあるけど、

靴が可愛いってだけでこんなに楽しい気持ちになるんだ、ってちょっとはにかんじゃう……。


「いってきます」


いつも通りの私服に身を包み、約束の駅に到着。


すぐに、駅の時計台の下で待つ駆くんをみつけた。


「……っ」


胸がきゅうんっとした。

初めて見た、駆くんの私服。


シンプルなTシャツを緩く着こなして、真っ黒のスキニーパンツ。
小物と靴もアクセントになりつつシンプルを貫いてる、かなりラフなコーデなのに。


……どうしてこんなにかっこいいの……。


「お、今宵」


……っ、にこって笑った……っ!


もうそれだけで心臓がバクバク言っちゃうのって、おかしいよね、ぜったい……。