「今宵チャン。大丈夫だよ! 駆もわたしも、ああいうのにドキドキしたりなんかしないから!」


次にフォローを入れてきたのは、あたしにメロンソーダを差し出しながらにこにこと笑うモチさん。


「わたしは無謀な恋とかきらいなの。だから駆は一生友達」


「……無謀」


「今宵チャンも、駆のことは好きにならないほうがいいよ」


その目は、とても静かで、思わず唾を飲み込んだ。


これを言われるのは二回目だ。


駆くんと同じ中学出身って言っていた金髪の男子も言ってたっけ。


「……どうして」


と口を開いたのと同時に、どすっとソファに腰を掛けたのは駆くん。


「何の話?」

「ううん、なんでもない」と即答したのはモチさんだ。


テーブルの向こうからこっそりウインクを送られちゃった。


この話はおしまい、という暗黙の了解。


すっかりこの話をするタイミングはなくなったみたい。