教室に戻ってすぐに、同じクラスで中学からの友達であるルイちゃんに話した。 「えええ!もう好きなひとができたぁ?」 「ち、ちが……ちがうよ」 ルイちゃんは、まん丸な目を開いて驚いている。 全然全然ちがうのに。 「優しいひとに会って、その人がとってもかっこよかった」って言っただけなのに。 でも、ほんの少し、恋に踏み込んじゃったのかなって……。 そんなことを思った、高校生の始まりの春。 でも、駆くんとの本当のハジマリは、それから数日後だった。