雛side


気付けばいつの間にか放課後になっていて…


帰る支度をして鞄を持t「雛ちゃん!」



廉「もう帰るの?」



出た、一ノ瀬廉。

私は面倒くさいので全て「うん。」と答えることを心に誓った。



『うん。』



廉「このあと暇?」



『うん。』



廉「じゃあCafe行こ!」



『うん。…………え?』



適当に話していたらいつの間にかカフェに行くことになってしまった……


…なんて大失態。


自分を恨む


私の心の友である咲紀は彼氏とさっさと帰ってしまった……



廉「やったー!オススメの店があるんだ~♪♪」



『いや、』



廉「いこっ!」




なんて手を繋がれてしまう。


もちろん男子の手を振りほどくほどの体力を兼ね備えていない私はついて行くしかない。


はぁ、今日はなんてついていないんだろう




学校を出て数分歩いた先にあったのはインスタなどで有名なカフェ。


店内に入るとカップルやうちの学校の生徒もいる


……帰りたい。



そんな気持ちにお構い無しの一ノ瀬廉。

定員に席まで案内され、にこやかな笑顔で去っていく



廉「どれにする~?」



「え、?あれ廉くんじゃない!」
「ほんとだ!いつ見てもかっこいい♡」
「それな!」
「廉くんと一緒にいる人誰ぇ~?」
「ほんとだ、彼女かな?」



この会話が耳にはいり、余計帰りたくなった。



『皆見てるよ』



廉「いーのいーの!俺これにするけど雛ちゃんは??」


一ノ瀬廉はいちごたっぷりのパンケーキを選んだ

今回はスイーツに免じて許そう。



『じゃあ私はこれで』



私はチョコとバニラのパフェを選んだ


一ノ瀬廉が店員を呼び注文をすると数分後にスイーツがテーブルに運ばれてきた



『…美味しそう』



廉「ねっ!」



『いただきます』



そう言って一口食べる



『美味しい!』



廉「それは良かった笑」



廉「ねぇ」



『ん?』



廉「一口ちょーだい」



『え"』



廉「一口、一口!」



『……仕方ない』



廉「やった~」



『はい………ん?』



私は器を一ノ瀬廉の方に差し出そうとすると口を開けて待っている彼の姿が、


……え、そういうこと、?



廉「早く~」



『…ん、』



私は仕方なくスプーンを持ち彼の口へ入れた


……よくやった、自分。



廉「俺のも一口あげる…はい、」



『え、……ん』



恥ずかしい気持ちもあったが目の前のスイーツに我慢できず、私らしくない行動を取ってしまった



『ありがと、』



廉「いいえ~(ニコッ」





店員「合計4520円になります」



廉「はい、」



『え、悪いよ』



廉「いいの、」




カランカラン



『一ノ瀬!悪いって』



廉「俺が誘ったんだから、それに女の子に財布出させるわけにいかないでしょ?」



『あ、ありがと』



廉「いーえ!じゃあもうこんな時間だし、家まで送るよ」



『それこそ悪いから』



廉「遠慮すんなよ~」



『してない』



そんなことを言いながら結局送って貰ってしまう

一ノ瀬がモテる理由もわかる気がする





(玄関)



『ありがとうね、いろいろ』



廉「大丈夫、おやすみ」



『おやすみなさい』



そういったのが今日最後の会話だった