雛side


ピピピピ…ピピ(カチャッ


私は部屋中に響くめざましを切って体を起こす



足元で寝ていた猫のユメの頭を撫で寝室を出る



朝の準備を終え、玄関を出る


私が住んでいるのは新築の高級マンション


親が海外で働いているため一人暮らしをしている


親が有名企業の社長なので普通より裕福な暮らしをしている




数分歩くと私の通っている"私立橘学園"に着く

かなりの偏差値で日本で知らない人はいないくらいの超有名校



そんな学園の校門をくぐると



「「「きやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」」」



毎朝女子の悲鳴(?)が聞こえる



「かっこいいぃぃぃ♡」
「やばい♡目の保養」
「私の方見た!?」
「は?私よ!」
「と、尊い…」



私は女子にきゃーきゃーいわれる人物を知ってる



"一ノ瀬 廉"



女子の一日の会話に一回は出てくる男子生徒


女子いわく、イケメン部類に入る顔立ちに高身長

文句のつけようのないイケメン


……らしい。


私は全く興味が無い


「ひ~め~!!」


『あ、咲紀おはよ。』


私のことを3階の教室の窓から大声で呼んだのは

高橋咲紀(タカハシサキ)。


私の唯一の友達で小学校からの幼馴染



「ひめ!遅い!!」


『はいはい』


「塩ーー!」


大きな声が取り柄の咲紀。


艶のあるミディアムヘアで170の身長が印象的




私が教室に入ると


「ひめ~おはよ~!」


『おはよ、』


咲紀は私のことを「ひめ」と呼ぶ


何故かは知らないけどね


「あ!雛ちゃんおはよっ!」


と、涼し気な笑顔で話しかけてきたのは


……一ノ瀬廉。


『…おはよう』


そう、私は一ノ瀬廉と席が隣。


女子には羨ましいと言われるが変わってあげたいほどだ、


移動教室の時には「一緒に行こう!」なんて言ってくる


私はあまり人と話したくない


特にこういうタイプは苦手の部類だ


でも相手は学園一の人気者。


無視すれば女子に恨まれることは間違いない



なので最低限の言葉で返事をする。



「ひめ~今日ケーキ食べに行かない??」



『いいよ、どこ?』



「ここ!」



咲紀がルンルン気分でスマホの画面を見せてくる


その画面に載っていたのはチョコといちごのパフェだった


私もスイーツは好きなので



『了解』



と返事をした