欲しがりな幼なじみ



ジトーっと、竹内くんを睨むと「嘘じゃないってば」なんて困ったように彼は笑った。



「美男美女の幼なじみって言われてるよ」

「何それ。からかってるよね?」

「はは、からかってない。
いつも一緒にいるのにどうして付き合ってないんだって、皆んな不思議がってる」



目に入ったゴミが取れたのか、竹内くんはベッドに腰掛けた。

私が座ってるソファの真向かいのベッドだ。




「小さい頃からずっと一緒なんだよね?一度も男として意識したことないの?」

「うっ、」




"男として"かどうかは分からない。

けれど、今、確実に私は由良くんのことを意識している。


由良くんに好きな人がいると知って動揺するくらいには、私は彼のことを意識している。