欲しがりな幼なじみ



「それもそうだね」



そう言って、竹内くんは保健室にある鏡の前に立った。


ふぅ。

もし誰かにあんな格好を見られたら誤解されてしまうところだった。

うん、私の選択は間違えていない。



「佐々木はさ、」



名前に反応して、竹内くんの方を見る。

鏡越しに、彼と目が合った。




「神田のこと好き?」

「……は?」

「だから、神田由良のこと好きかって」




いや、違う違う。

その意味は分かってる。

そうじゃなくて……




「な、なに、急に」

「急じゃないよ。1年の頃から有名だよ?神田と佐々木のこと」




有名?

私と由良くんが?



「何かの間違いじゃない?」