パチパチ、瞬きを繰り返す。

それから直されたリボンに視線を移して、はぁーと息を吐いた。


びっ、くりした。

竹内くんて、なんか、



「世話焼きだね」

「あーそうかも。妹いるんだよね、俺」

「なるほど、通りで」



妹さんもさぞ可愛いんだろうなぁ、とそんなことを考えていると。


グイッと、肩を引き寄せられた。

竹内くんとは違う、石鹸の匂い。


振り向かなくても誰だか分かる。




「ゆ、由良くん」




顔を見上げると、やっぱりそこには由良くんがいて。

でも、なんか、不機嫌そう?



「帰るぞ」

「あっ、ちょ……た、竹内くん!またね!」



ズルズルと後ろ向きに引っ張られながら、私は何とか竹内くんに手を振った。






「大変だな、佐々木も」



ひらひらと、彼は優雅に手を振り返した。