「な……なんでいるっ!?」
と、思っていたのに。
放課後、球技大会委員会、3年生の教室。
廊下側1番後ろの席で、頬杖をつく由良くんの姿を見て私は叫んだ。
なん、なんで……こういうの、普段は絶対やらないはずなのにっ。
扉の前で固まっている私を、由良くんは呆れたようにして見た。
「だから、お前俺のこと舐めすぎだっての」
「は、ぅ、」
「俺のこと避けようとしても無駄って言わなかった?」
い、言ってた。
確かに、由良くんはそう言ってた。
でも、あれはただの……
「お前の考えてることなんて手にとるように分かんだよ。
何年一緒にいると思ってんの」
お前のクラス、席あっちだから
と、ご丁寧に教えてくれた由良くんは、澄ました顔で前に向き直る。
「佐々木?後ろ詰まってるけど」
「あ、あぁごめん!行こっか、竹内くん」

