志保の机の上で肘をついて「それなー」と嘆くわたし。


そう、わたしの幼なじみの由良くんは、わたしには冷たいくせに学校だと普通なんだ。

普通に喋るし笑うし、冗談も言うし優しいし。
……舌打ちなんかしないし。




「まぁ、あんたに心当たりがないんじゃどうしようもないけどね」

「……それなー」




スマホのカメラ機能を使って前髪を気にする志保を横目に、わたしはため息をつく。


由良くんは、確か高校に入学したての頃はまだわたしに対しても優しかった。

冗談を言い合ったりして一緒に学校に行っていたし、
家を行き来して課題をやったり、夜ご飯も一緒に食べたりしたし……。



「……わたし、ほんとに由良くんに嫌われちゃったのかなー」