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「いやでも、アンタもめげずによく由良くんに絡みにいけるね」
「え、なんで?」
小中高と、由良くんと同じ学校に進学したけれど、同じクラスになったことは一度もない。
高2の今だって6クラスあるうち、わたしは1組で由良くんは3組だ。
選択授業ですら被らない。
うーん、やっぱりちょっと悲しい。
「だあってさぁ、由良くん学校だと普通にただのカッコいい男子じゃん?クラスメイトと楽しそうに喋るし笑うじゃん?」
トントンと3限の授業で使った教科書とノートを揃えてカバンの中にしまう親友の志保(シホ)は、ニヤニヤと意地悪く笑う。
「なのに結佳(ユイカ)にはドライアイス並みに冷たいじゃん。友達とアンタに対する対応が天と地ほど違う」

