志保め……私のことからかってるでしょう。
「もう認めちゃいなよ。楽になるよ〜」
「や、やめてよ!本当に違うのに」
これはきっと恋じゃない。
好きとかじゃ、ない。
今までずっと一緒にいた由良くんが、いつのまにか前より男らしくなっていて、
それにビックリしたんだ。
小さい頃のギャップに、まだ慣れてないだけ。
そう説明すると、志保はつまらなさそうにため息をついた。
「まぁ、さ。そう思うのは結佳の自由だけど、本当は自分でもわかってるんじゃないの?」
「……なんのこと?」
ピッ、とホイッスルの音。
志保が得点板の表をめくる。
「……由良くん、他の女子に取られてもしらないからねー」

