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「結佳、アンタそれはつまり由良くんに恋してるってことじゃないの?」
「待って待ってなんでそうなる!」
違うから。
絶対!違うからっ。
心の中でそう叫んだと同時に、ピッというホイッスルの音が鳴る。
体育の時間。
私たち女子は体育館でバレーボール。
男子は外でサッカー。
「結佳、そっち点入ったよ」
「あ、う、うん」
志保と得点係をやっているわたしは、慌てて得点板の紙をめくった。
そんな様子を見て志保がクスクスと笑う。
「動揺してる。さては図星だな?」
「も、ほんとに違う……」
今朝のこと、ここ最近のわたしの由良くんに対して思うこと、
それを全部志保に相談したらこうだ。

