由良くんも知ってるでしょ?

なんて、そう言って結佳のお母さんは出て行ってしまった。



……幼なじみだからいいとか思ってんのかな。

もう少し俺を疑った方がいいのに……



ため息をついて、アイツの部屋に入る。

ベッドの上が膨らんでいる。

テーブルの上には、体温計と薬と水の入ったペットボトル。



苦しそうな息遣いが微かに聞こえる。


額に手のひらを当てると、思っていたよりも熱かった。

大丈夫だとは思っても、やっぱり少し心配になってくる。



「……っ、ゆらくん……?」



小さな声に、パッと額から手を離した。



「悪い、起こした」



俺と目が合うと、泣きそうな顔をする。