渋る私に、お母さんは不思議そうに首を傾げる。
「課題進んでないんでしょう?ついでに由良くんに教えてもらいに行きなさいよ」
「……はぁい」
ビニール袋と、英語の教科書、そしてノートを持って玄関の扉を開ける。
けれど、1つ隣のインターホンを鳴らそうとしたところで、私はピタッと止まった。
「……下着、つけてない……」
この前のことを思い出す。
由良くんにキスマークをつけられたことを。
頬に熱が集まるのを感じて、慌てて首を横に振った。
っいや、今までお風呂上がりにお邪魔したことなんて何回もあるし!
別に気にするようなことじゃない!
課題だってそうだ!
こんなの幼なじみなんだから、普通のことじゃないかっ。

