自分でなんとかしな。
って、そう言っている志保の姿が思い浮かんだ。
こーいう時まで冷たいんだから……。
はぁ、どうしよう。
このままじゃ終わらない。提出は明日なのに。
「ゆいかー、ちょっと来てー」
お母さんに名前を呼ばれたのはそんな時だった。
リビングに行くと、「ちょっと頼まれてくれない?」とビニール袋を渡された。
「なに?これ」
「おばあちゃんがミカン送ってくれたんだけど……量が多くてうちじゃ食べ切れないからね、神田さんのところにもお裾分けしてきて欲しいのよ」
確かに、ビニール袋の中にはミカンが数十個入っていた。
でも……由良くんのところかぁ……

