「むしろこの噂を利用してやろうかと」なんて言って笑う。
竹内くんは、すごいな。
「やっぱり諦め切れないからさ」
「そっかー……」
「佐々木は?」
クシャッと、ラッピングが歪む。
無意識に力を入れてしまっていた。
「うーん、私は……」
竹内くんのようには出来ない。
「やっぱり私は、由良くんのことを捕まえられないよ」
ごめんね、と謝る。
そんな私に、竹内くんは「残念だなぁ」と言って笑った。
甘い物は苦手だという理由で、カップケーキはやんわりと断られた。
竹内くんと別れて、今度こそ由良くんのクラスへ。
後ろの扉から顔を覗かせて、由良くんの姿を探す。

