わたし、相当由良くんに対して嫌なことをしたのかもしれない。

……全く身に覚えがないんだけど。




「あれ、由良の幼なじみだ」




その声にハッとして後ろを振り返る。

ほんのり焦げ茶色の髪をした、人懐っこそうな笑顔の……ええと、見たことある。

確かこの人、由良くんの友達だ。




「由良探してんの?声かけようか」

「あ、ごめん、ありがとう」




由良くんの友達が、由良くんの名前を呼んだ。

わたしの姿を見た由良くんは、少し眉を寄せて、集団から離れてわたしのところへと来た。




「あのね、由良くんに聞きたいことが……って、ちょっ、どこいくの!」




手首を掴んでずんずんとわたしを引っ張ってどこかに行こうとする由良くん。