「フン、まぁいい。俺は荒木宏(アラキヒロ)だ。お前は?」
名前なんて言いたくないーッ!
そんなとき…。
ドーーーンッッ!!
荒木に思いっきりぶつかる一人の女の子が…。
あたしは思わずぎゅうっと目をつぶった。
「あっ………っ、す…すいませ…」
その女の子は、おとなしそうという子で、黒髪を三つ編みにして、メガネをしていた。
あたしは心の中で、三つ編みっ子ちゃんよくやった!(三つ編みっ子ちゃんとは、荒木にぶつかっていった女の子にあたしが勝手に名前をつけただけで、実際の名前ではございません)と思った。
「っせぇ!ブスは黙ってろ!」
荒木はドスッと三つ編みっ子ちゃんを突き飛ばした。
―――なッ??!
許せない!あたしが行こうとした瞬間、良が荒木を殴っていた。
ドスッ―――
鈍い音が体育館中に広がった。
「り……良ッ?!」
あたしは良のところへ駆け寄る。
