「ん。おいで、梨那。」


享にぃはにっこり笑いながら、私を膝の上にのせてくれる。


「やった。享にぃ大好き。」


私はギュッと享にぃに抱きつく。


「ふふっ。ほんとに梨那は可愛いね。」


……………


「…享にぃ、眼科行った方がいいよ。私が可愛いとか、天地がひっくり返ってもあり得ない。」

「…もう、いつもそれだよね。例え梨那が可愛いと思わなくても、僕には可愛く見えるの。目がおかしいとか関係ない。」

「やっぱり享にぃ目悪くなったんだ。」

「うん、そういうことにしといて。」




このやり取りを見ていた他の人達は……


「「享に梨那取られた…」」

「ははっ、新也と快斗どんまい。」

「やっぱり梨那ちゃん可愛い。」

「分かるわ、いつ見ても天使に見える…」

「ほんとに、梨那鈍感すぎてもはや尊敬するレベルなんだけど。」

「仕方ないよ、今さら。梨那の天然は記念物級だから…」



…というような会話をしていた。

もちろん、私はそんなこと知る由もないが。



享にぃはと言うと…


“ほんとに、可愛いな。そばにいるだけで癒されるってすごいわ。ごめんね〜、快斗と新也。”


と思っていましたとさ。