「ありがと、梨那…って、梨那、やっぱりなんかあったでしょ?」


そう確信をもって聞いてくる茉依。


…っそんな真剣な目で見つめないで…

全部話したくなってしまうから。


自分でもよく分からないこの気持ちをぶつけたくなってしまうから。


「……梨那、部屋。」


何も言わない私に、凜ちゃんは低い声を出した。


…これは、凜ちゃん、怒ってるな…

長年一緒にいるから分かる。


こういう時は素直に凜ちゃんの言うことを聞くべきだということも。


私は静かに頷いて、私の部屋へと歩みを進める。


凜ちゃんは、私の部屋に入った途端に一言。


「梨那、一旦寝な?じゃないとほんとに壊れるよ?」


私は、その言葉を聞いた瞬間、張りつめていた何かがプツンと切れた気がした。