すると、優斗くんは周りを見渡してから、何故か舌打ちした。


「ちっ」

「ゆ、優斗くん……?怒ってるの…?」


突然のことにびっくりして、不安げに優斗くんを見つめる。


「…ああ、悪い。怒ってないからおいで、梨那。」


うぅ…

そんな優しい声で言われたら、何も言えない…


私は大人しく優斗くんの元へ行く。


「ん、いい子。」


優斗くんはそれだけ言うと、私の手を取って歩き出した。



私と優斗くんがいなくなった後の教室…



「ねえ、さっきの笑った梨那ちゃんの顔、めちゃくちゃ可愛くない!?」

「ね!私もそれ思った!あれぞまさに超絶美少女!」

「やばい、宮川が可愛いすぎてどうしよう!」

「あれは天使だな。」

「ねえ、望月君って、梨那ちゃんが好きなのかな?」

「絶対そうでしょ?だって、あんなに甘いの梨那ちゃんにだけじゃん。」

「だよねー。でも相手が梨那ちゃんなら許せる。」



というような会話があちこちでなされていた…



もちろん、優斗くんのことで頭がいっぱいだった私は気付く由もない……