優斗side♬


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「………これが私の過去だよ。」


初めてちゃんと聞いた梨那の過去に、俺はかける言葉が見つからなかった。


“辛い”

“苦しい”


そんな言葉で片付けられるようなものじゃない。


悩んで、悩み抜いて俺が彼女に伝えた言葉。


それは………


「…聞かせてくれてありがとう。俺は、梨那になんて声をかければいいか分からない。だけど、一つだけ。辛かった分、これからは、俺と一緒に幸せを探そう?」


…ごめん、梨那。


俺はこのくらいの言葉しか言えないけど。


だけど、それでも、梨那と一緒に俺たちの幸せを探していきたい、その想いを言葉に込めたつもりだ。


「……っありがとう、優斗くんっ……。優斗くんに話せて少しホッとしたっ……」


言葉の通り、ホッとした表情を浮かべながら、少し泣きそうにな梨那。