私が闇の中を彷徨ってるのも私のせい。
“アレ”は、きっと自分のことばかり考えていた私に下された罰。
だから、お願い。
私のことでこれ以上苦しまないで……
私は茉依達がそばにいてくれるだけで幸せなんだよ…
そんなことを考えていると、ドアがコンコンとノックされた。
「梨那、早く起きないと遅刻すんぞ。」
そう言って部屋に入って来たのは、お兄ちゃんだった。
「…お兄ちゃん。おはよ。今行くね。」
いつも通り言ったつもりが、お兄ちゃんにはお見通しみたいだった。
「…梨那。何も知らないやつなら騙せるだろうけど、俺にはそんな作り笑い、通用しねえぞ。」
お兄ちゃんの真剣な瞳とぶつかり合う。
「…っやっぱりお兄ちゃんには敵わないね。でも大丈夫だよ、心配しないで。一時の心の揺れだから。」