「…ああ。お兄さん達は、お前のこと、すごく心配してたよ。あの子を助けるのに力を貸してって、全員に頭を下げられたくらいだしな。」


……みんな。


「分かったら、お兄さん達のところへいくぞ。梨那、落ちると危ないから掴まれ。」

「…え?きゃっ…!?」


私が返事をする間もなく、優斗くんに抱き上げられた。


「ちょっと…!私、自分で歩けるよ…!」


恥ずかしくて少し抵抗してみるも、優斗くんには全く効かない。


「ダメ。梨那は黙って抱き上げられてればいーの。梨那の居場所は俺の腕の中。な?」

「……うん//」

「ん。いい子。」




“私の居場所”か……


なんか嬉しい。


私は優斗くんと一緒にいてもいいんだって思える。


優斗くんって意地悪な時もあれば、甘い時もあるみたい。