「…ああ。俺は梨那になんと言われようと、離れる気はねえよ。」


俺の愛を舐めてもらっちゃあ困るね。

避けられたくらいで揺るぐほど、この気持ちは軽くない。




……なぁ、梨那。


俺にはお前の抱えているものがなんなのかは分からない。


でも、話を聞くくらいなら出来るし、どんなお前でも見放したりしない。


俺の全てでお前を受け止める。


だから、一人で抱え込んで、自分を追いつめることだけはしないでほしい。


お前は一人じゃないんだから…

だから、周りを…俺をもっと頼れよ?




…なんて。


俺の心の声が梨那に聞こえるはずはないんだけど。


すると、腕の中の梨那がもぞっと動いた。


「……ごめんなさいっ……。きょ…うちゃん…ゆっく…ん……」


瞳から涙が一粒。

…寝てるんだよな?

俺はそっとその涙を拭い取る。