正直、びっくりしたけど、梨那がそんな風に思ってくれていたことはすごく嬉しかった。


「…強制は出来ないんだ。何が起こるか分からないから。だが、一緒に梨那を助けてもらえないだろうか…?特に優斗くんにはお願いしたいんだ…」


「お願いします、梨那を助けるのを手伝ってもらえませんか…?」


「梨那ちゃんを助けてくださいっ…」


梨那のお父様様を始め、その場にいる全員が頭を下げ始める。




……なあ、梨那。


お前はこんなにも大切に想われてるよ。


話を聞く限り、梨那を助けるのは、そう簡単にはいかないことは分かる。


…でも…それでも。


お前がおかれている今の状況を知って、そのままになんかできるわけがない。


好きな女が苦しんでるところを黙って見てられるかってーの。


相手の男のことを想像するだけで、殴りたくなるくらい。