俺たちは山吹さんに続いて、豪邸の中に足を踏み入れる。


玄関から真っ直ぐ進んで、二番目の扉のところで立ち止まった。


「ここです。こちらで皆さまがお待ちになっております。」


そう言って、ゆっくりドアを開ける。


そこには、須藤達を含め20人ほどの人が、横長のテーブルに座っていた。


「社長。奥様。そして皆さま。御三方をお連れいたしました。」


山吹さんが、一番手前に座っていたメガネの若い男性に頭を下げる。


…っていうか、社長!?


もしかして、梨那のお父様!?


俺が驚いていると、その隣の奥さんらしき女の人が声をかけてくれた。


「突然呼んでしまってごめんなさいね?そこの空いている席に座ってくれないかしら?」


俺たちは言われた通り、空いている席に座った。