「…ああ。好きだよ。」


…そう。

今まで女に興味の欠片もなくて、むしろ女が嫌いだった俺の初恋。


縄倉達に向けた笑顔。


自分に向けられたわけじゃないのに、その笑顔が他の何よりも綺麗で、気づいたら惹かれていた。


俗に言う一目惚れってやつだな。


それに、俺たちの顔が好きで群がってくる他の女達とも違って俺たちに全く興味を示さない。


そんなとこも好きなんだよな。


「やっぱり優斗、梨那ちゃんが好きだったんだね。それよりもさ、茉依ちゃん。この状況…説明してくれない?」


…はあ。

ったく、涼太のやつ空気読めよ。


でも、俺もこいつらに聞きたいことがあるんだよな。


「…俺も、聞きたいことがある。さっき言ってたすごいの意味。」


きっと梨那が俺の腕の中で眠っていることのことを指すんだろうと思うけど、あいつらの表情から、それだけではない気がする。