優斗side♬


腕の中でスースーと寝息を立てて、気持ち良さそうに眠っている梨那。


正直、この状況に驚いていないと言ったら嘘になる。


確かに、俺と梨那の出逢いは、今朝目が合った時だと思う。


でも俺は、もっと前から梨那のことを見ていた。


だから知っていた。

縄倉達にしか本当の笑顔を見せないことも、時折見せるどこか切なそうで、苦しそうな表情も…


「…あの梨那がね。望月君、あんたすごいね。」


そう言うこいつの名は、確か須藤 凜。


こいつはいつも眠そうな顔をしてマイペースに見えるけど、見た目に反して鋭いんだよな。


他の二人も須藤の言葉に頷きながら、ジッとこっちを見つめている。


「…ねぇ、望月君。単刀直入に言うけど……梨那のこと好きだよね?」


慌てた様子もなく、至って冷静に聞く縄倉。