私はそう言って優斗くんに背を向けて、誰にも分からないように、フランス語で呟く…






“J'aime, j'aime ...


Je te souhaite du bonheur même si tu es loin ...


Au revoir, Yuto …”






こんなこと、日本語で言えるわけない………




「……梨那!」


優斗くんが、ハッとしたように名前を呼ぶ。


「ん?どうしたの?」


私は優斗くんの言葉に立ち止まる。




だけど、振り返らなかった………




だって、今優斗くんの顔を見てしまったら、私の決心が鈍りそうだったから………ーーー




今となってはもう、完璧に前の私に戻っていた……

優斗くんの前以外では………