涼太くんって、ほんといつもいつも一言余計なんだよ。
心の中で毒づくと、涼太くんを無視して優斗くんに向き直った。
「ううん、別に何かあったとかそういうんじゃないよ。ただ、これを渡しにきたの。」
私はそう言って、クッキーの袋詰めを差し出す。
「これって……。もしかして、前に俺が食べたいって言ったの覚えてたのか?」
「当たり前だよ。昨日作ったの。優斗くんが気にいるかは分からないけど、味は少し甘めにしたから。」
すると、優斗くんはなんで知ってるんだ?というような表情になった。
「俺、お前に甘いのが好きって言ったことあったか…?」
「ううん、言ったことないと思うよ。でも、前に優斗くんのお弁当に入ってた卵焼き食べさせてもらったことあったけど、かなり甘かったから。」



