「優斗。優斗って呼んで、梨那。」

「ゆ、優斗くん……?」


さすがに呼び捨てはちょっとと思い、くんづけさせてもらった。


「ん。今は可愛いからそれで許す。」


そう言って優斗くんは頭を撫でてくれた。


その仕草に私の顔は一気に赤く染まった。


…他人と必要以上に関わるのは避けてきたはずなのに、優斗くんの前では取り繕うことが出来なくなってしまっている。


だって今現に、もっと優斗くんといたいって想ってしまっているから…


そんなこと私に許されるはずがないのに…

ほんとはこの高校に通いたいと思う資格すらないのに…


「…梨那。俺はいつまででも待つし、どんな梨那も受け止めてみせる。だから、俺の前では我慢するな。」


そう話す優斗くんの瞳は、相変わらず真っ直ぐで、一寸の曇りすらもない。