先生は優しい眼差しで、俺と眠る梨那を交互に見つめた。


「先生…」


「好きな人が苦しんでいたら、何かしたいと思うのは普通よ。でも、自分を責め過ぎちゃダメ。もしかしたら、何もできていないと思っているのはあなただけかもよ?人間、無意識のうちに人に勇気を与えていることもあるから。」


「…そう、でしょうか…。それより、何で俺が梨那を好きだって分かったんですか?俺、言ってないですよね?」


そうだ、先生には言ってないないはずなのに、何で知っているんだ…?

そんな素振りも見せていないのに…


すると、先生はふふって笑いながら言った。


「あら、聞かなくても分かるわよ。あなた、分かりやすいもの。宮川さんを見つめてる時、その目がすごく愛しそうだったわよ?」


…マジか。


「…俺ってそんなに分かりやすいですか?」

「ええ、かなり。」