もしかしたら、ううん、絶対に気づかれると思った。
茉依達は私の変化に、特に敏感だから。
だけど、思いの外私のポーカーフェイスが上手かったようで。
大胆な考えだったからどうかなって思ったんだけど、これで正解みたい。
大丈夫、私はみんなのためなら何だって出来るよ……
私がお弁当を持って席を立ちかけた時、何やら廊下が一気に騒がしくなった。
ガヤガヤ……
「あれが噂の転校生の先輩!?」
「めちゃくちゃかっこよくない!?」
ったく、うるさいなぁ…
何で2年生なのに、一年生の階にいるのよ…
見れば、斜め前の席の茉依も迷惑そうな顔をしていた。
やがて、その騒がしい声は、私のクラスの前まできた。



