たったそれだけのことって思うかもしれないけど、俺にとっては舞い上がるほど嬉しかった。


でも、笑顔を見せてくれる反面、時々見せる切なそうな苦しそうな、そんな表情。


それでも彼女は、決して俺に弱音を吐いたりしない。


一番最初に会った時も、泣いてこそいたものの、その心のうちを明かしてくれることはなかった。


…もっと俺に頼ってほしい。


そう思うのに、彼女の抱えている闇がどれくらいのものか分からないために、軽々しくそんなことは言えない。


あの日、あの時会った時に決めたはずだった。


梨那が言い出すまで、どれだけでも待つし、ずっとそばにいるって。


だけど、限界はすぐそこまで来ていた……


俺の気のせいでなければ、俺に出会ってからの一週間で、彼女は大分変わった。