最近優斗くんの笑顔を見ると嬉しい反面、何故だかよく分からないけど、胸がキュッと締め付けられたような感じがするんだ。


優斗くんといると、自分が自分じゃないみたいになる。


上手く言えないけど、涼太くんや他のみんなの時には感じない気持ち。


「…梨那、考え事?」


頭の中でぐるぐると考えていると、隣から優斗くんの声が聞こえた。


優斗くんは、箸の泊まった私の手を見ていた。


「…うん、優斗くんといると不思議な気持ちになるなって考えてたの。」


私は、考えていたことを素直に話した。


「不思議な気持ち?」


「…そう。自分でもよく分からないから上手く言えないけど、一つだけ確かなのは、私は優斗くんの笑顔が大好きなの。」


優斗くんの暖かい陽だまりのような優しい笑顔。


その笑顔を見ると、闇に染まった汚ない私との違いを思い知らされる。