梨那side♬


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「…な…な…梨那!」

「んぁ…まな…?」


焦点が定まらない瞳でゆらゆらと見上げると、お弁当を持ったまなと茉依と凜ちゃんが目に入った。


「もうお昼だよ?さっきの現文寝てたでしょ?」


と呆れたような声を出すまな。


あれ、ほんとだ。


周りを見渡せば、いつの間にか先生はいなくなっていて、教室でお昼を食べている人達の姿がちらほら。


そういえば…


「優斗くんは…?いつもならお昼休みが始まってすぐに私達の教室に来るはずなんだけど。」

「ああ、望月君なら先生に呼ばれて職員室に行ったみたいよ。」


するとそこへ、タイミングよく教室のドアからひょこっと優斗くんが顔を出した。


「…梨那、遅くなってごめん。…おいで?」

「…優斗くん!」