何しろ彼だけだから。

梨那を最後、闇から完全に救い出すことができるのは……


悔しくないって言ったら嘘になるけど、梨那の幸せが俺たちにとって最大の幸せ。


「…秀。作戦は?僕の予想だと、もうそろそろ動くと思うよ。あいつなら、梨那方から来るように追い詰めると思うけど。」


「…ああ、俺もそう思う。だが、外で梨那が一人になる機会などない。常に茉依ちゃん達が一緒だ。となると、おそらくは…」


「「メールだな。」」


見事に新也と快斗の声がハモった。


「さすが、新也と快斗だ。だが、ここからが問題だ…」


そう言って、少し言葉を濁らせる秀。


あいつが、きっと梨那をメールで脅して来ると分かっても、防ぐ方法がない。


あいつなら梨那のメルアドを調べるなんてこと、朝飯前だろう。