新也side♬


“運命の王子様”


彼はきっと、梨那にとって唯一の存在になるであろうことは間違いなかった。


俺は、快斗よりも梨那と一緒にいる時間は少ない。


だけど、梨那のことは快斗にも負けないくらいよく知っているつもり。


“アレ”から5年。


梨那は信頼した相手にしか心を許さなくなった。


信頼した相手というのは、紛れもなく今ここにいるメンバー。


まあ、父さんと母さん、それから後四人ほどいないが。


梨那は快斗と一緒に、父さんの双子の弟の煌さんにマジックをや変装術を習っていたから、表情を作るのは簡単だったんだと思う。


一歩外に出れば、常に作った表情、ポーカーフェイス。


ポーカーフェイスは、マジックを見抜かれないようにするため、マジシャンの基本でもあり、煌さんの口癖でもあった。