秀side♬


「秀にぃ、抱っこ……」


聞こえてきた梨那のその声に、素早く梨那を抱き上げる。


すると、腕の中でふにゃりと幸せそうに微笑む梨那。


「秀にぃだぁ…」

……っ//////


普段は、どんな事件を目のあたりにしても、動じない無表情で、どちらかといえば無口な俺。


なのに、梨那を前にすると、一気に崩れる俺のキャラ。


…くそっ、可愛すぎる…!


「あらま。秀頑張れ。」


そう言って、ニヤッと笑うゆみを睨む。


はあ、辛い……辛すぎる。


梨那が腕の中にいるのは嬉しいが、寝ぼけた甘えん坊の梨那は可愛すぎるため、要注意だ。


ただでさえ何もしてなくても可愛いのに、寝ぼけていて甘えん坊の梨那は本当に危険。


「甘えん坊の梨那登場ですか…。秀、ご愁傷さまです。」

「何でよりにもよって秀なんだよ…」


クスクス笑っている明晴と、不満そうな一誠。