意地悪な幼馴染は逃げた初恋を追いかける。




昔、小学生の時、助けてくれた時も。

みんなが静かになった後、

颯はあんな風に、私に向けて、口元だけでこっそり笑った。

その時私には、わかったんだ。

だって、生まれた時から一緒なんだもん。

たとえ言葉はなくても。

颯は今、私に、

頑張れ、っていったんだって。





今だって聞こえた。

颯にも聞こえただろうか?

私の声が。


<ま、せいぜい、頑張れ>

<うん、頑張るよ>


私たちだけの視線の会話は、誰も知らない。

私と颯は、もう前みたいな関係でもない。

私は今だに颯が大嫌いだ。

……でも。

不安しかないけれど、今は、この文化祭を成功させたいって気持ちでいっぱいの自分が、ここにいた。